スズキのGSX1300R隼は、1999年にデビューして以来、多くのライダーを魅了し続けています。その進化の過程で、細かい部分に改良(マイナーチェンジ)が加えられてきましたが、その中のひとつが「シートのブランケット(シートを固定する金具)」です。
実は、隼のシートのブランケットには2種類あり、年式によって異なります。1999年から2000年までの初期型と、2001年以降のモデルでは構造が異なり、後者のほうが強度が高く、信頼性のある設計になっています。本記事では、この違いと交換のメリットについて詳しく解説します。
1999〜2000年式の隼:分離型ブランケット

隼の初期型(1999〜2000年式)では、シートのブランケットが「分離型」になっています。これは、シートを固定する金具が別々に分離されており、ボルトで固定する構造です。
この分離型のブランケットには、以下のような欠点があります。
1. 強度が低い
分離型の構造上、剛性が不足しており、長期間使用すると金具部分がわずかに変形しまうことがあります。特に激しい走行や、頻繁なシートの脱着、また体重がある方の利用などで、ブランケット自体が歪んでしまいます。
2. ボルトの緩みやすさ
ブランケットが分離しているため、シートの固定ボルトが緩みやすくなる傾向があります。定期的に増し締めしないと、走行中に振動でボルトが緩んでしまうことがあるのです。最悪な場合、ボルトが外れて紛失してしまうことも。
2001年以降の隼:一体型ブランケット

これは、僕の隼についているシートブランケットです。
2001年のマイナーチェンジ以降、隼のシートブランケットは「一体型」になりました。これまで二つに分離していましたが、それが一体化した構造に変更され、剛性が大幅に向上しています。
この改良により、以下のようなメリットが得られました。
1. 強度アップ
ブランケットが一体化したことで、歪みや変形のリスクが大幅に低減。長期間使用しても安定した状態を維持できます。
2. ボルトの緩みが発生しにくい
以前のようにブランケットが動くことがないため、ボルトが緩むこともほぼなくなりました。頻繁に増し締めをする必要もなく、メンテナンス性が向上しています。
なぜ、シートブランケットが変更されたのか?
おそらく、初期型の分離型ブランケットでは強度不足が問題視されたのでしょう。隼は日本のバイクとはいえ逆車のバイクです。主に、欧米人にも人気があり、体格のいい外国人には強度不足だったため、強化が必要だったと考えられます。そのため、2001年のマイナーチェンジでシートのブランケットが強化され、より剛性の高い一体型へと変更されました。
1999〜2000年式の隼に乗っているならブランケット交換を検討すべき
もし、あなたの隼が1999年から2000年式の初期型なら、シートブランケットを2001年以降の一体型に交換することをおすすめします。
交換することで得られるメリットは次のとおりです。
- シートの固定力が向上し、走行時の安定感が増す
- ボルトの緩みを気にする必要がなくなる
- 長期間の使用でもブランケットが歪みにくい
交換はボルトオンで可能!
ありがたいことに、2001年以降のシートブランケットはボルトオンで装着可能です。つまり、加工なしでそのまま取り付けることができます。
さらに、2001年以降の純正パーツは現在でも新品で手に入るため、劣化した中古品を使う必要もありません。
交換の際は、パーツ注文時に「2001年以降のシートブランケット」を指定すればOKです。なお、2006年式の隼のシートブランケット品番は以下の通りです。
シートブランケット品番:45116-24F10
注文の際、年式を間違えると、初期型と同じ分離型が届いてしまう可能性があるので、注文時には注意しましょう。
まとめ
隼のシートブランケットには、1999〜2000年式の「分離型」と、2001年以降の「一体型」の2種類があります。初期型の分離型ブランケットは強度が低く、ボルトが緩みやすいという欠点があるため、2001年以降の一体型ブランケットに交換することで安定感が向上します。
交換はボルトオンで可能で、純正パーツも新品で入手できます。1999~2000年式の隼に乗っているなら、ぜひシートブランケットの交換を検討してみてください。