隼の美は細部に宿る

見た目よりも中身が大事なのは、人生の中で学んだ真理の一つだ。どんな美女でも中身が腐っていたら、綺麗とはいえない。たとえ、目に見えないところでも、美しくあるべきだと俺は思う。

小さなサビは放っておけば広がり、最終的には役目すら全うできない。見て見ぬ振りはできるし、見えなかたと言い訳もできる。けど、俺たち人間が手をかければ、元通りにすることだってできる。

隼を購入後、カウルを剥がした。中に錆がないかチェックするためだ。バイクは機械の塊だから、交換できる部品は交換したい。たとえ、小さなボルト1本でも、錆びていたら交換すべきだと思う。

チャックしたところ、アンダーブランケットの錆がヤバかった。錆びている、というよりも、朽ち果ててきている。隼のアンダーブランケットは、水が溜まる場所だ。洗車や水たまりの跳ね返りなどが原因だが、あまり、目にかけない部分でもある。

俺は、部品を注文して交換した。どうせ、錆びるところだろうけど、思いっきり錆止めをして備えた。アンダーブランケットなんて、外からは見えない部品。けど、新しい部品をつけた隼は、なぜか光り輝いているように見えた。

神は細部に宿るというが、隼の場合、「美は細部に宿る」かな。