隼の燃料はハイオク?レギュラー?

今回は、隼のエネルギー源である燃料(ガソリン)の話です。

これから隼に乗りたいと思っている人の中には、前期型の隼の燃料ってハイオクなのか、それともレギュラーなのか疑問にもっている人もいるとおもいます。

実際、前期型の隼にはどの燃料がいいのでしょうか。

GSX1300R隼の燃料はハイオク!

結論からいえば、隼に最適な燃料は「ハイオク」です。

理由は3つ。

  1. メーカーであるスズキが推奨している
  2. 隼が高出力エンジンだから
  3. オクタン価との兼ね合い

とくに「3」は重要です。以下、解説していきます。

1. メーカーであるスズキが推奨している

まず、前期型の隼のガソリンについて、メーカーに問い合わせてみました。そしたら、回答はというと、

「ハイオクガソリンがおすすめです」というのもあれば

「レギュラーで大丈夫ですよ」というものもありました。

店舗によるのか、お店の人の見解によるのか、意見にばらつきがありました。ちょっと驚いたのは

「どっちでもいいですよ」という答えです。

そんなバイク、あるんか……と思いましたが隼はどっちでも大丈夫らしい。が、ぼくは次の「2」と「3」の理由でハイオクにしています。

2. 隼が高出力エンジンだから

前期型の隼は世界ギネスブックにも乗った最高速をだすバイクです。そのエンジンはパワフルで素晴らしいと思います。で、隼のエンジンはというと高出力エンジン、つまり圧縮比が高いのです。

前期型の隼 エンジン圧縮比 11:1

私見では、圧縮比が高いエンジンにはハイオクがいいと思います。理由は、車がそうだからです。車のエンジンは圧縮比が10を超えたらハイオク仕様になるものが多い。

昔ね、ぼくは車をかなり乗り倒してまして、それこそほとんどのスポーツカーをチューニングしていました。AE86(3台)、シルビア(3台)、180SX(2台)、スカイラインGTS-T、RX-7(FC、FD)、ツアラーVなど、ゼロヨンやったりドリフトやったりしていました。ドリフトは車が壁に刺さるほど下手でしたが大会にもでてたりしまして色々やりました。ゼロヨン車はかなりチューニングしまして、440馬力も出力するFC3Sもつくり、なにかと競争していましたね。

AE86の場合ですが、ガスケットを交換してハイコンプ仕様も作ったりしました。その時に燃調をいじったりするのですが、その際、ガソリンをハイオクにしていました。AE86は圧縮比が純正で9くらいですがハイコンプにしたら10以上になるのでハイオクじゃないとピストンが溶けるのです。そんなことを昔やっていたので、圧縮比が11もある隼は、ハイオクがいいと思っています。

ま、昔のチューニングの知識なんですが、その時の経験から隼の圧縮比をみてハイオク仕様にしているというわけです。そして、次の「3」の理由も大きいです。

3. オクタン価との兼ね合い

ガソリンにはJIS規格で定められた「オクタン価」というのがあります。

オクタン価(オクタンか)とは、ガソリンのエンジン内での自己着火のしにくさ、ノッキングの起こりにくさ(耐ノック性・アンチノック性)を示す数値である。オクタン価が高いほどノッキングが発生しにくい。

オクタン価

バイクの場合、このオクタン価を指標にしてガソリンをレギュラーにするのか、ハイオクにするのかを決めることがあります。つまり、オクタン価が低ければレギュラーガソリン、逆に高いならハイオクということです。ちなみに前期型の隼は、提示されているオクタン価が「86」と言われています。

が、ここにちょっとした落とし穴があります。

まず、このオクタン価は算出する測定方法が3つあって、実は国によってその表示がちがいます。

  1. リサーチ・オクタン価(RON)
  2. モーター・オクタン価(MON)
  3. アンチノック・インデックス(AKI)

欧州や日本は「RON」です。アメリカや北米(カナダ)は「AKI」を採用しています。

ちなみに、RONとMONの測定結果ですが、その差がだいたい10くらいあります。つまり、もしRONの測定が90としたらMONで測定すると80になるということです。

一方、AKIはというと、RONよりも5ほど少なくなります。つまり、RONの測定値が90なら、AKIにすれば95になるということ。

で、ここからが重要なのですが、上の方でも書いた前期型の隼のオクタン価は「86」と書きました。実はこれ、日本と同じオクタン価(RON)ではなくアメリカや北米で採用されているAKIの測定値なのです。まあ、隼は北米仕様ですので当然といえば当然なのですが。

それで、この隼のオクタン価「86」をRONと同じようにするならプラス5ほど足さなければいけません。つまり、前期型の隼のオクタン価はRONなら「91」になるということです。

で、日本のレギュラーガソリンのオクタン価はJIS規格で89以上らしいですが、実際に出回っているのは90〜91だとか。一方、ハイオクは95以上だそうですが流通されているのは98らしいです。それを踏まえていえば、前期型の隼のガソリンはハイオクがいいということになります。

まぁ、日本のレギュラーガソリンが仮に91あったとして、隼のオクタン価が91なわけですから妥当と言えば妥当です。だから、レギュラーガソリンでもいいと思います。しかし、ギリギリのラインですよね。個人的には、このギリギリは良くないと思っているので、ぼくは隼にハイオクを入れているのです。

ただ、このオクタン価は完全ではありません。オクタン価は単なる指標のひとつなので、これだけで完璧に決められるものではありません。最近では燃焼試験をして判断するようなので、あくまでもオクタン価は目安というわけです。

また、走り方によってもちがうと思います。つまり、公道だけを中速で走っているとか、またはサーキットを高回転で長時間走るなど、バイクの条件によってもノッキングが出る、でないはあります。前期型隼の場合、オクタン価がレギュラーとハイオクどちらも入れていいような数値なので、個々人の走り方を考慮して決めるといいと思います。

「でも、ハイオクって高いんだよなぁ」

という人もいると思います。

確かにハイオクは高い。昨今のガソリンの値段は上がってきているので、いくらバイクのガソリンといえどバカにはできない金額です。

なので、ガソリン代をケチりたくなるのもわからなくないのですが、しかし、よく考えてほしいのです。

ハイオクがいくら高いといっても、レギュラーガソリンとの差はわずか「10円」程度です。その10円の差でバイクのエンジンに悪影響がある、または調子が悪くなる、エンジンOHが必要になる、というような要因を回避できるならば、安いとおもいませんか。

つまり、たった10円の差でバイクライフが長くなるのです。

しかも、エンジンの調子もよくて、好きなバイクにずっと乗っていられる。ぼくはそんなバイクライフを送りたいので、つねに隼の燃料にハイオクを使っています。

長い目で見れば、ハイオクの方が断然いいです。

ぼくはそう思いますが、この記事を読んでいるあなたはどう思いますか?

ABOUT US
RYUKYU RIDER
リュウキュウライダー。2017年からGSX1300R隼に乗りブログをはじめる。2021年にCB750 RC42('07)を増車。バイクをはじめ、キャンプ、レザークラフト、ヴィンテージなどを探求中。ほかに沖縄空手を趣味としている。