RYUKYU RIDERです。
バイク乗りの間で交わされる挨拶に「ヤエー(YAEH!!)」があります。ヤエーはライダー同士がツーリング中、すれ違い様に合図する独特な挨拶です。これは顔見知りでする場合もあれば、お互いのことを知らずにヤエーする場合もあります。
ヤエーのコンセプトは基本、「こんにちは、道中ご安全に!」です。バイク乗りという仲間意識でヤエーする人は多いですが、その歴史や背景には興味深いものがあります。
ヤエーはどのように生まれてきたのか?
そんなわけで今回は、バイク乗りの挨拶ヤエーについて解説していきます。ヤエーの語源や意味、やり方、注意点をみていきましょう。
ヤエー(YAEH!!)とは何か?
ヤエーとはバイク乗り同士がすれ違いざまに手をあげて交わす、独特な挨拶です。
最近はバイクブームのおかげか、またモトブログのおかげなのか、このヤエーという挨拶が再燃しています。
そもそもこのヤエーという挨拶はどうやってできたのでしょうか。
一説によれば2003年、2ちゃんねるという掲示板でバイクのハンドサインについてスレッドが立ちあがった際に「Yeah!(イエー)」のスペルを「Yaeh!(ヤエー)」と打ち間違えたことがきっかけのようです。このスペルミスが掲示板内で定着し、その後、実際のバイク乗りの間でもヤエーが広まっていきました。
そんな説がある一方、80年代にはバイク乗りが片手でピースをして挨拶を交わすこともあったようです。その時はヤエーとは言わず「Yeah!(イエー)」でした。
さて、このヤエーのエピソード、なかなか面白いのではないでしょうか。バイカーらしいというか、人間らしいというか、ファジーな感じがして個人的に好きなエピソードですね。
そんなバイク乗りの挨拶ヤエーですが、ぼくは楽しい文化だと思います。知らないもの同士がバイクという共通の趣味をとおして挨拶を交わす、なんかいいですよね。
ヤエーをもっと深掘りしてみる
ヤエーの語源は「Yeah!(イエー)」のスペルミスで生まれたわけですが、ではこの「Yeah!(イエー)」という挨拶は、どこで生まれたのでしょうか。
それは、アメリカが発端です。
1904年、ハーレーダビットソンの生みの親であるアーサー デビッドソンとウィリアム ハーレーがバイクに乗って路上で出会い、お互いに挨拶し合ったことが発端とされています。彼らにとっては普通の行為でしたが、それが後にバイク乗りの間で広まり、しだいに受け継がれていきました。
ことはハーレーダビットソンからですが、他のバイク乗り(他車種)の間でも習慣化され、今日に至るというわけです。
なお、アメリカではバイク乗り同士の挨拶を「バイクウェーブ」とよび、それをする行為の際に「Yeah!(イエー)」と叫ぶようです。ちょっと日本とは違う感じですね。
日本では80年代にもピースして挨拶してましたから、アメリカの文化がそのまま伝わっていたと予測されます。とはいえ、その後、日本ではバイク乗り同士の挨拶をヤエーと呼び、ヤエーする際は何も叫ばないで静かに手をあげる、そんな風に変わっていきました。
ということはつまり、ヤエーは、日本のバイク乗りの独自の挨拶ということになりますね。
ヤエーは嫌う人もいる
ヤエーは楽しい行為だと思うのですが、しかし、最近はネガティブな意見もあります。
例えば、
「ヤエーがうざい!」とか
「ヤエーがめんどい」など。
まあ、ヤエーするのも、そして返事をかえすのも個人の自由だし、そもそもヤエーは単なるバイク乗りの挨拶なんだからウザいってこともないと思うのですが…、しかし、嫌っている人がいるというのも事実です。
アンケートではヤエーに対する印象が約8割好印象なのに対し、残り2割はよく思っていないと言います。
単なる挨拶に不快になるというのは理解に苦しみますが、ただ、一定数の方にはヤエーを快く思っていないということです。その辺を念頭に入れつつ、ヤエーをしたい人は楽しんでいきましょう。
ヤエー(YAEH!!)の意味とは
ヤエーはバイク乗り同士の挨拶ですが、その意味合いはいくつかあります。代表的なのは以下の3つです。
- 道中お気をつけて!
- 旅を安全に!
- ようこそ!
ヤエーする相手が地元のバイク乗りなら「道中お気をつけて」という意味になりますし、バイク旅をしている人にヤエーするなら「旅を安全に」や「ようこそ!」にという意味になりますね。
ヤエーはバイク乗り同士でかわす単なる挨拶と思われがちですが、同じバイク乗りという強い絆の表れであり、仲間への労いともいえます。つまりヤエーは、単なる挨拶以上のものであり、敬意のしるしなのです。ツーリングで疲れてたとしても、ヤエーの挨拶をもらったらなんか元気がでますので、個人的には多くのライダーがやってほしいと思います。
見ず知らずの者同士が労いの挨拶を交わすヤエーは個人的に好きです。
ヤエー(YAEH!!)のやり方
さて、ここまで読んできたあなたは、実際にヤエーをしたいと思っているんじゃないでしょうか(笑)
ってことで、ここからはヤエーのやり方を解説します。
最近のヤエーのやり方
まず、ヤエーのやり方の基本は左手で「ピース」することです。まぁ、右手でもいいのですが安全なヤエーのやり方は左手の方です。なお、これが基本だったのですが、最近はいろんなヤエーのやり方があります。
例えば、
- 片手で親指を上げる(サムズアップ)
- 会釈する
- 手を振る
- 両手をあげる
- ウイリーしてピース
- バイクに立ってピース
などです。
片手をあげるだけならまだしも、ウイリーや走行中に立つなんて、少し危ない気がします。ヤエーはテンションがあることなので、激しいアクションをしたくなるのもわからなくはないですが、しかし、変な事故が起きてヤエーが危ないという風潮にならないように注意してほしいものです。
なお、アメリカでも左手でピースするのが主流です。しかし、アメリカではピースを上にあげず、下にさげたままにします。これは、2つのタイヤを道路に設置することを意味しており、道路を安全に走行するように指示しているという意味です。アメリカは日本と違い右車線ですから左手を下にしてピースしても問題ないですが、日本ならば上にあげてピースする方がいいかもしれません。
ちなみに、ヤエーをどの手でするのかっていう話がSNSでたまにでるんですけど、そんな言い争いは不毛です。ヤエーは自由にやっていいと思います。が、先にも述べたように安全なヤエーのやり方は左手ですることです。
他人に迷惑をかけないように、そして事故が起きないように最善の注意をしてヤエーをする、これを意識しましょう。
なお、ぼくのヤエーのやり方は片手をあげたり、会釈したりすることが多いです。
ヤエーで注意すること
ヤエーは単なる挨拶ですが、個人的に思う注意点を以下に整理してみました。
ぼくがヤエーする際、以下の3つのことに注意しています。
- ヤエーはカーブ走行中にしない
- ヤエーは無茶な姿勢でしない
- ヤエーして返事がなくてもヘコまない
それぞれ解説していきましょう。
1,ヤエーはカーブ走行中にしない
まず、ヤエーはカーブ走行中にしません。なぜなら、カーブでの片手運転は危険ですし、それこそヤエーして事故ったら本末転倒ですからね。ヤエーの意味がありません。
僕の場合、カーブ走行中にヤエーをもらったら会釈で返します。その方が両手を離さなくていいですし、安全です。
カーブ走行中のヤエーは極力控え、会釈することをお勧めします。
2,ヤエーは無茶な姿勢でしない
また、ヤエーは無茶な姿勢でもしません。
最近は、ウイリーや両手を離してヤエーするなど、無茶な姿勢でヤエーするのが流行りのようですが、なるべく危険な運転はしない方がいいでしょう。
そもそもヤエーの意味は「道中お気をつけて」です。無茶な運転しながらの挨拶は本末転倒ですので、すべきではないというのが僕の意見です。
3,ヤエーの返事がなくてもヘコまない
最後の注意点は、ヤエーして返事がなくてもヘコまないということ。
ヤエーをしても返事がなかったら寂しいもんがありますし、それは僕も経験済みです。
ヤエーの返事がなさすぎて「俺って嫌われているかも…」なんて思うこともあるかもしれません。が、あまり深刻に考えずに、軽い気持ちでヤエーをするといいです。
つまり、「ヤエーの返事がもらえなくても、次はヤエーを返してくれるだろう」というポジティブな姿勢で挑むほうが精神的にいいということ。
ヤエーという挨拶は個人の自由ですからね、返さない人がいるということも忘れずに。なので、ファジーな感じでやっていくのがメンタル的にもいいと思います。
ヤエーにはステッカーがある
ちなみに、ヤエーにはヤエーステッカーがあるようです。通称、ヤエステと呼ぶそうですが、バイク乗りの安全運転とマナー向上を願って無償配布されています。
最近では、全国に配布拠点があったり、バイクの日のようなイベント等でも配布されています。
まとめ
バイク乗りの挨拶「ヤエー」について解説しました。
ヤエーはバイク乗り同士の挨拶とはいえ、やるかやらないかは個人の自由です。つまり、バイク乗りだったとしてもヤエーはしてもいいし、しなくてもいい。また、ヤエーされても返せない状況なら無理に返す必要はないですし、逆に無理にヤエーさせる状況に陥らないようにちょっとした心遣いは必要です。
ヤエーのコンセプトは「こんにちは、道中ご安全に!」です。これをしっかりと心にとめ、ヤエーするライダーもされる側も、マナーを守って楽しくバイクライフを満喫していきましょう。